夏の日差しと狼のいろ。



 ツキは目をぱちくりとさせ、
 アルを見た。


 アルちゃんはここに住んでいたんだ…


 ツキは驚いたままぽかんと
 口を開けていたが、
 アルが早くしろというように
 睨んだので
 急いでゴンドラから降りた。




 ウルーもあとに続き、
 やがて全員が降りたつ。


 アルはそれ以上何も語ろうとせず、

 てくてくと歩き出した。




 ツキも何も聞かず、
 ウルーとのんびりと後を追う。








 「…ー?」


 ツキがぴたりと足を止めたのを見て

 アルとウルーが振り返る。




 「どうしたんだ?」

 ウルーは不思議そうに尋ね、
 ツキを見た。




 ツキはじっとそれを見て
 呟いた。





 「あれー…何?」



 その先に居たのは。




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