夏の日差しと狼のいろ。
ツキはゆっくりと口を開いた。
「でも…銀月狼は…人語を話せても、人間にはなれないんでしょ…?」
その言葉にウルーは哀しそうに微笑んで
「だからハーフなんだ」
そう言った。
ツキは、理解した。
ウルーは大きな狼の姿にもなれるんだと。
黙りこんだツキを見て
「俺が…怖いか」
そう、向こうを向いて呟くように問いかけた。
髪に隠れて、その表情は見えない。
「ううん…不思議、だったの」
ツキはそんな答えを返していた。
確かに驚きはしたけどウルーは凶暴というより静かで幻想的だった。
綺麗な銀髪などもその雰囲気を高めていた。
ウルーはツキの言葉に驚いた顔をした。
「不思…議?」
「うん、不思議。優しくて、幻想的で・・・なのに狼で。」
にこっと微笑むと、
「ちっとも怖くなんてないよ」
そう言った。
その言葉にウルーは
「…珍しい奴だな」
そう言って少し嬉しそうに笑った。