夏の日差しと狼のいろ。



次の日、ツキはいつものように、何か食べ物を探しに小川に来ていた。


砂漠に小川があるなんて変だと始めは思ったけど今では普通だ。


軽い足取りで小川の魚を捕まえようと、川に踏み込んだ。


水はつめたかったけど熱い砂浜を歩いてきたから心地よくも感じられる。

今日はたくさん魚がいた。

晴れているからかもしれない。


(たくさん捕まえようっと!)





そして魚を5匹ほど捕まえ帰ろうと川からあがる。

空を見上げると、もう夕暮れだった。

いつもより来る時間が遅かったから終わるのも遅くなってしまった。


いそいで帰ろうと走り出したその瞬間だった。



 ―チクッ



右足から小さな痛みが伝わった。



「いた…っ。なんだろ」

そういって座りこみ、足をみると小さな蜘蛛が2,3匹まとわりついていた。


もう、と不満の声をあげながらツキは蜘蛛を払った。


すると払った手にまたさっきのチクリとした痛みを感じた。
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