夏の日差しと狼のいろ。
「じゃ、私戻るね」
「カナリアのとこに行くのか?」
まったく予想があたり
ツキは目をぱちくりとさせ
イクアを見た。
「どうしてわかったの?」
するとイクアは
ふふんと笑う。
「さぁな?教えてほしかったら
俺にちゅーでもしろよ」
「!!」
意地悪そうに笑うと
イクアはべーっと舌を出した。
そして、じゃーまたな!と
大きい声で叫んで
屋根の上をぴょんぴょんと
飛び跳ねていって
やがて見えなくなった。
(やっぱりいい人じゃないよ…)
呆れ気味に
ツキがため息をついたころに
もちろん、その声に
気がついたウルーとアルが
ツキのところに
来たのだった。