夏の日差しと狼のいろ。
「あ…この蜘蛛かぁ」
どうやらこの蜘蛛がツキの手や足を刺したようだった。
これ以上払うと、また刺されると思って
ツキは足と手を川につけた。
そうすると川に蜘蛛は流れて行った。
ふぅ、とため息をついてツキは魚を持ちなおした。
日が沈みだした。
夜は毒をもつ生き物が出てくるので危険だとウルーが言っていた。
そしていつものように走り出した…
―つもりだった。
何故か足がのろまになったかのように身体が重くて走れない。
そのうちふらふらとして魚を落としてしまった。
ツキは、はっとした。
(さっきの蜘蛛…毒を…)
そこからは完全に意識がとんだ。
ツキは砂漠の真ん中で気を失った。
辺りはしだいに暗くなっていく・・・。