夏の日差しと狼のいろ。



 ツキは立ち上がると
 ウルーたちのほうを振り向く。

 そして。

 「私、この子を助けてあげたいの
  お願い…手伝って…っ」





 すこし呆然とする二人に
 ツキはぺこりと頭を下げた。


 するとウルーは
 何か考えていそうな顔で返す。

 「俺はなんでも協力する
  だが…解決したら
  ちゃんとワケを話してくれ」


 「…うん」


 ツキはばれているんだ、と
 落胆した。


 雪狼ということは
 ばれていなくても、
 嘘はバレていたから。



 俯くツキに
 アルまでもが言う。



 「私も同じ条件です」



 それを聞いてツキは決心した。

 結局いつかはバレるのだから
 いつ言っても変わりはない。



 ツキはちゃんと返事した。



 「うん、もちろんだよ」


 そうすると二人とも
 納得したように頷く。







 そしてウルーが言う。


 「だが…どうやって助けるんだ?」


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