夏の日差しと狼のいろ。
サヨナラと巡り
ツキは目を覚ました。うっすらと白い、天井が見えた。
ピ、ピ、ピ、と機械音が響く。
身体はまだ重かった。
「ウルー…?」
ふとそんなことを呟く。
もソレに答える声はなかった。
ツキは自分が倒れたところまでしか記憶がなかった。
ツキの頬をつぅ…っと涙が溢れだす。
ここはきっと町の病院だ。
ウルーと二人の砂漠じゃない。
怖い。怖い。怖い。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い…
ツキはもがいた。点滴の針ははずれ、動きをとれるようになった。
(怖いよ、見つかったら殺されちゃう。)
ツキの頭はいつのまにか見せ物小屋にいた、
記憶でいっぱいになってしまった。
タスケテ コロサレチャウ
シニタクナイヨ。。イタイヨ イタイヨ…
ツキはそのまま窓から外に飛び出た。