夏の日差しと狼のいろ。



 「ふふ」

 ちょっと笑うとツキは
 そのまま後ろむきに、

 ぼふんとベッドに倒れ込む。



 ツキの膝に頭をのせていたウルーも
 一度起き上がり、

 ツキの横に寝転んだ。




 ふーっとツキがため息をつくと
 ウルーはさっきの首の
 ちょっと赤くなったところに
 優しく触れた。



 「…痛かったか?」


 ウルーに聞かれ、ツキは
 正直に答える。


 「痛かったよ」


 するとウルーは
 そのまま首を撫でた。


 くすぐったくて、
 ツキが首をすくめると

 寝転んだまま、

 ウルーの顔が首のところに
 迫ってきた。



 また擦られるのかと思い
 ツキが注意しようとすると


 ウルーはツキの首にキスした。



 「!」


 ツキが驚いていると
 ウルーがニッと笑う。


 「消毒だ」


 そう言ってツキの首を
 かぷ、っと噛んだ。


 「ひゃっ!…っ、ウルー?
  今ので消毒できたから、ね?」
 ウルーを止めようとし
 ツキがそういうと

 ウルーはそのまま見上げ、
 ちょっとツキの首を舐めてから
 顔を離した。




 「もうキスされるなよ」


 そういうとウルーは
 ツキの顔をじっと見つめる。


 (目があわせらんないよー…)



 ツキが下を向くと
 ウルーがまたずぃっと近づく。



 心臓がMAXに速くなって
 ヤバい、と思ったころー…






 「…すぅ」


 すぐ横で寝息。

 ちらっとウルーを見ると
 一瞬のうちに寝てしまっていた。



 (ウルーったら…)



 今日のこと、明日には
 忘れちゃってるかな…?




 ツキはちょっと深呼吸すると
 熱くほてった体を

 気にせず、目を閉じた。


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