夏の日差しと狼のいろ。



 『ああああああああ!』



 ツキは叫び声をあげた。


 その叫び声は狼の咆哮にかわる。

 青い光がツキを包み、
 辺りは一面青くなった。



 「…、ツキ…さん…?」


 アルが目覚め、目だけを
 前の光景に見据えた。


 ウルーは一瞬とまり
 光に目をしかめた。


 双子はぎょっとして目を
 見開き、後ずさる。



 『ああぁ…』


 ツキの声がやみ、
 光が薄れてふわりと光る。



 ツキは自分が
 すごく冷静なのがわかった。


 自分の茶色かった髪は
 毛先にかけて濃くなる水色に
 なっていて、光っている。



 瞳は青色になり
 片方の目からは青い炎が
 光っている。



 『……』


 理性は、あった。


 青色になった尻尾を揺らすと
 ツキは冷たい瞳で

 双子を見た。



 『…許さない』


 そう呟くとツキは
 まずウルーのもとへ飛んだ。

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