夏の日差しと狼のいろ。



 ツキがウルーの頭に
 着地すると

 理性を失っているウルーは
 うっとおしそうに頭を振った。


 ツキはその頭をおさえつけ
 もう片方の手でふわりと青い光を
 ウルーの頭に押し付けた。



 途端に、ウルーはまどろみ
 その場に倒れ込む。


 ウルーが倒れる直前に
 地面に着地し

 ウルーと地面との間に
 入るとウルーが思い切り

 倒れるのをふさぎ
 うけとめ、寝かせた。




 『オマエは…雪狼のボス…!』


 双子は体中の毛を逆立て
 ツキを睨んだ。


 『…そうだけど』


 ツキは答えた次の瞬間
 双子の前に移動していた。



 『…ッ!』



 双子達は、見えなかったらしい。


 愕然とツキを見つめ、
 神々しいその姿を見とめた。



 ツキはそっと近寄り
  二匹をつかみあげ

 睨んでやった。

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