夏の日差しと狼のいろ。
ラスク達はさっきまでの
楽しさも吹き飛び、
二人は走り出した。
点々と続く血のあとを
走っていく。
ようやく湖のあたりに来、
視界があけるとそこには
戦場が広がり、血のにおいが
立ち込めていた。
数十匹の青銀色に輝く、
赤い瞳の狼が
口もとを血でぬらし、
仲間達を襲っているのが見える。
仲間達も応戦するためか
何人か獣の姿になっていた。
「…んだよ…?」
ラスクは目を大きく見開き、
立ち尽くす。
今や、狼達以外だれも
動けるものはいないようだ。
ラスクとラルズが
ふらふらと歩いていくと
赤い瞳が一斉にこちらを見た。