夏の日差しと狼のいろ。


ラスク達はさっきまでの
楽しさも吹き飛び、

二人は走り出した。


点々と続く血のあとを
走っていく。



ようやく湖のあたりに来、
視界があけるとそこには

戦場が広がり、血のにおいが
立ち込めていた。


数十匹の青銀色に輝く、
赤い瞳の狼が

口もとを血でぬらし、
仲間達を襲っているのが見える。


仲間達も応戦するためか
何人か獣の姿になっていた。


「…んだよ…?」


ラスクは目を大きく見開き、
立ち尽くす。


今や、狼達以外だれも
動けるものはいないようだ。



ラスクとラルズが
ふらふらと歩いていくと

赤い瞳が一斉にこちらを見た。



< 243 / 376 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop