夏の日差しと狼のいろ。
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ツキは双子達の話を聞いて
ただ呆然とした。
赤い瞳の狼?
そんなの聞いたことない…
倒れ伏したアルに手を置いたまま
ツキは悩んで、
結局諦めたように俯いた。
双子達は泣いていた。
何故かツキの青い瞳からも
涙がこぼれだしていて。
「何でお前が泣く…?」
ラスクが潤んだ瞳で
キッとツキを睨む。
ツキは小さく、呟くように
双子達を見て言った。
「赤い瞳の狼って、誰なの…?
絶対、私達…じゃない…」
青い髪を揺らしながら
ツキは冷静な表情をしてみせた。
すると途端に黙っていたラルズが
唸るように言いだした。
「…わかってるっ!
わかってるよぉ…」
泣きながら、声が震えていて
どうしようもないくらい
二人が悲しんでいるのがわかる。
ツキは再び黙りこみ、
考えた。
(赤い瞳の狼…見つけないと
いけない気がする)
ツキは顔をあげ、
きっぱり言った。
「私が見つける、その狼」