夏の日差しと狼のいろ。
「さ、そろそろ行こっか」
ツキはぱさりとローブの裾を
払うと
くるりと振り向いて
そう言った。
ウルーとアルも頷き、
双子達も二人並んで頷く。
目的地は、北、ミラ・レヴィラ。
自分の生まれたところ。
きっとそこへいくころ、
色んなことがわかり
そこに着いたら
全てがわかるのだろう。
そして、赤い瞳の
狼も見つけなければいけない。
なんとなく
双子達のため以外にも
自分達に関係が
あるように思った。
「じゃ、また連絡するね!」
「「よろしく!」」
ツキ達は背を向けて
歩き出した。
双子達の手を振る姿を
後ろに、
ツキ達は新たな場所へ向かうー…
このときはまだ、
あんなことがおこるなんて
知らずに。
第三章、完>>