夏の日差しと狼のいろ。
「滑りそう…」
ツキ達は、絶対に
われなさそうな
氷が分厚いところだけを
選んで歩いた。
絶対、割れない。
ミシリとも言わない氷に
ツキが安心しはじめた時ー…
パキッ!
「え?」
氷が、ありえない割れ方をした。
ツキのまわりだけ
氷が丸く割れた。
「きゃあぁあ!」
ツキは悲鳴をあげ
冷たい水の中に落ちた。
「ツキ!!!」
ウルーが叫んだのが
聞こえたが
ツキは返事をする間もなく
氷の内側を流れる川にのまれた。