夏の日差しと狼のいろ。
川の水は冷たくて
流れが強い。
ツキは息をしようと
必死にもがくが、
あまり意味がなかった。
割れたところからは
随分と流され、
頭上には氷が張っているのだ。
もがきながら
氷を割ろうとしても
氷はまったく割れなかった。
(なんで…っ!?
私が落ちたときはすぐ割れたのに!)
いくらもがいても
水面がぴったり凍り、
中の水だけが流れているのだから
息をするスペースはない。
ツキは体中が冷たくなり、
息ができなくなりー…
気を失ってしまった。