夏の日差しと狼のいろ。
「あ、ああ…そうだな」
ウルーはようやく
やる気が出たのか表情が戻る。
アルはふう、とため息をついて
少し身づくろいした。
これできっと
ツキもすぐ見つかるはずだ。
そうしてる間に
ウルーは変身を終え、
銀色の狼の姿が現れた。
ツキがいつも幻想的、と
言っているのが
わからなくもないくらい
美しく、綺麗で
その姿は繊細だ。
(ツキさんも狼に戻る力が
戻って、
狼になったら
綺麗だと思うんですけど…)
…もちろん、そんなことは
死んでも口に出さない。
だって恥ずかしいし、
負けたみたいですから。
アルはふるふる頭を振り
気を戻した。
「じゃあ、ウルー様?
私も一緒に探すので
お願いします」
ウルーは頷くと
くんくんとニオイをかぎながら
川沿いを進んで行った。
アルは満足して
尻尾を振り、
ウルーのあとを追った。