夏の日差しと狼のいろ。
*
凍りつくような
冷たさが体の中を駆け抜け
ツキは身震いして
目を覚ました。
そこはさっき寝ていた
小屋のベッドの上だった。
…何が変わったの?
ツキは夢で何かを
与えられたのは確かなのに、と
首を傾げた。
体が妙にひんやりしていて
落ち着く。
ツキは起き上がった。
ーあれ?
ツキは異変に気がついた。
何か、違う。
いつもより景色が
鮮明に見え、不思議だ。
ぼうっとしていると
カチャリと音がして隣の部屋の
扉が開かれ、アルが入ってきた。
「……!」
アルがぎょっとしたように
後ずさる。
琥珀色の瞳は
大きく見開かれていた。
ツキは混乱した。
ー何か可笑しいかな?