夏の日差しと狼のいろ。
『俺が馬鹿だと?いい加減にしろ』
そういうとサンドルは
無理にふらふら立ち上がった。
血がどくどく流れ出た。
ツキは焦って立ち上がった。
死なれたらウルーを
もとに戻してもらえないじゃない!
ツキが寝かせようと
寄っていくとサンドルは
ツキの尻尾に噛み付いて唸った。
『近づくな、小娘…』
ツキは悲鳴をあげて後ずさった。
アルが駆け寄って
心配そうにツキの尻尾を見た。
ツキは、サンドルをきっと
睨みつけ 叫んだ。
『早く寝て!死んじゃうよ!』
しかしサンドルは無視して
冷たく言い放った。
『死ぬのはテメェだ、小娘!』
その瞬間、
赤い瞳がキラリと光り、
ツキの体に激痛が走った。