夏の日差しと狼のいろ。
『…っ』
ツキは傷口が痛み、
返事が出来なかったが
サンドルは気にせず続けた。
『今のは俺の技だ
闇猫のはテメェも知ってるだろう』
そう言った直後
サンドルの赤い瞳が銀色になった。
『こいつが銀月狼のだ』
ツキは背筋がぞくりと
するのを感じた。
次の瞬間、ツキではなく
アルの体に異変が起こった。
「…!!」
ピキピキとアルの足が
石化している。
サンドルは満足そうに唸った。
『これでお前らはしばらく
動けない』
サンドルはそう言って
一声 遠吠えをすると
ケガした肩を引きずりながら
ウルーの首筋をくわえ、
ゆっくり歩いていった。
逃げられるー…
そう思ったがツキは
そのまま気を失った。