夏の日差しと狼のいろ。
ここがどこなのかはわからないが
ツキは外であのまま、
血を流したまま
凍死しなくてよかった、
そう思ってホッとしていた。
ツキはもぞもぞと前足を
動かし、また眠ろうかと
顎を前足にのせた。
そんなとき
部屋のドアがギイッと開いた。
ツキはさっと顔をあげ、
ドアを見つめた。
「あ、わんこさん起きたの?」
そこにいたのは
六歳くらいの白い毛をした
不思議な少女だった。
少女は紫色の瞳を
きらきら輝かせ、
こっちにやってきた。
「あたしは、ラリィ。
まだ六歳だけど、魔女なの」
魔女?ツキは思わず
聞き返しそうになり、
口をつぐんだ。
喋れることや、
人間の姿になれることは
黙っておいたほうがいいかも。
ツキは耳をぴくりと動かし、
軽く、唸った。
「よかったらどうぞ?」
ラリィは温かそうな
ミルクの入ったお皿を
ツキの前に置いた。
…そういえばお腹ペコペコ…
ツキは勢いよくミルクを
がっつき、飲み干した。
ミルクは一瞬でからになり
ツキは満足げに
口のまわりを舐めた。
だいぶ、狼の姿も
なれてきたなぁ…
そんなことを考えていると
ラリィはニコニコ笑って
こう言った。
「不思議なわんこさん!
お肉もあるよ、いる?」
ツキは尻尾をぱたぱた振ってみせた。
「わかった!あげちゃう」
ラリィは後ろに置いてあった袋から
骨付き肉とチーズを取り出し
ツキの前に置いた。
いいニオイが漂う。
ツキはそれを、
さっきよりゆっくり食べた。
満足したツキはふと
思い出した。
ーアルちゃんはどこ?
ツキは外であのまま、
血を流したまま
凍死しなくてよかった、
そう思ってホッとしていた。
ツキはもぞもぞと前足を
動かし、また眠ろうかと
顎を前足にのせた。
そんなとき
部屋のドアがギイッと開いた。
ツキはさっと顔をあげ、
ドアを見つめた。
「あ、わんこさん起きたの?」
そこにいたのは
六歳くらいの白い毛をした
不思議な少女だった。
少女は紫色の瞳を
きらきら輝かせ、
こっちにやってきた。
「あたしは、ラリィ。
まだ六歳だけど、魔女なの」
魔女?ツキは思わず
聞き返しそうになり、
口をつぐんだ。
喋れることや、
人間の姿になれることは
黙っておいたほうがいいかも。
ツキは耳をぴくりと動かし、
軽く、唸った。
「よかったらどうぞ?」
ラリィは温かそうな
ミルクの入ったお皿を
ツキの前に置いた。
…そういえばお腹ペコペコ…
ツキは勢いよくミルクを
がっつき、飲み干した。
ミルクは一瞬でからになり
ツキは満足げに
口のまわりを舐めた。
だいぶ、狼の姿も
なれてきたなぁ…
そんなことを考えていると
ラリィはニコニコ笑って
こう言った。
「不思議なわんこさん!
お肉もあるよ、いる?」
ツキは尻尾をぱたぱた振ってみせた。
「わかった!あげちゃう」
ラリィは後ろに置いてあった袋から
骨付き肉とチーズを取り出し
ツキの前に置いた。
いいニオイが漂う。
ツキはそれを、
さっきよりゆっくり食べた。
満足したツキはふと
思い出した。
ーアルちゃんはどこ?