夏の日差しと狼のいろ。
昼頃、ウルーと出会った場所についた。
しかし――
見当たらない。
あの砂漠にぽつんとたった懐かしい家は。
(5年もたったものね。)
予想はしていたけどツキはやっぱり悲しかった。
耳をたれてその場にしゃがみこんだ。
もう、会えないのだろうか。
この広い砂漠からたった一人の人物をみつけようもない。
見つかれば、それは奇跡だ。
もう二度と会えないのかもしれないと思うと悲しみで胸がしめつけられた。
ツキは、ひざをかかえてぎゅっと小さくなる。
太陽は高くのぼっていた。
うららかな日差しに悲しさでぼんやりしていたのもあって、うとうととまどろむ。
そしてあろうことかツキはそこで眠ってしまった。