夏の日差しと狼のいろ。
*
ツキはガバッと飛び起きた。
けだるさが体を覆う。
慣れない狼の姿で居て、
疲れてしまったようだ。
ツキはちらりとアルをみた。
アルは顔色もよくなり、
寝かされていた。
石化した足も治っている。
しかしツキは気が急ぎ、
鼻先でアルを突いた。
「ん…ぅう…」
アルは琥珀色の瞳をはっきり開けた。
そして、ツキを見た。
「あれ?ツキさん…」
言いかけて、アルは
はっと体を起こした。
「私、確か石化した所から
のぼってきた毒にやられた
はずなんですけど…」
そこまで言ったところで
ギィっとドアが開き、
ラリィが現れた。
ラリィは嬉しそうに微笑んだ。
『ラリィちゃ………っ!?』
ツキは、口をつぐんで
呆然としてそれを見つめた。
ラリィが不思議な笑顔を浮かべた。
「君が探してるのはコレだよね?
雪狼さん…」