夏の日差しと狼のいろ。
「ウ……ルー…?」
ツキは咳込みながら、
声をしぼりだした。
次の瞬間ウルーに抱きすくめられる。
怪我をした体が痛かったが
ツキは幸せと安堵感につつまれ
ツキは涙を流した。
「ツキ…よかった…」
ウルーは強くツキを抱きしめていた。
ツキは抱きしめられたまま
ウルーの肩に頭を預け
目をつむった。
「ウルーの声が、聞こえたの。
ウルーの声が聞こえて
目を開いたら、ウルーが居たんだよ…」
温かい、ウルーの体温を
感じながら
ツキはそう呟いた。
久しぶりに感じた
ウルーのぬくもりに
ツキはしばらく身を委ねていた。
しばらく二人はそうしていたが
ウルーはツキをそっと離し
また寝かせてくれた。
手を握ってくれたまま
ツキと目を合わせる。