夏の日差しと狼のいろ。
「なんですか、いつも私は
普通です」
アルはそう言うと、
ちょっと顔を赤くして言った。
「な、泣いたのは忘れてください…」
ツキはくすくす笑った。
アルちゃんも可愛い!
「アルちゃんってば
照れ屋ー…きゃっ!?」
最後のほうまで言う前に
何かが飛びついてきて
ツキは声をあげた。
何かと飛びついてきたものを
ツキは見た。
「…姫、よかった…
私も姫に、ぎゅってされたいの…」
「リルちゃん!!」
長く、美しい水色の髪を
床に垂らしながら
スライディングして
抱き着いてきたのはリルだった。
氷みたいな耳がぴくぴく動き
尻尾は嬉しそうにゆさゆさ
揺れている。