夏の日差しと狼のいろ。


「心配かけてごめんね…
私はもう大丈夫だかー…きゃあっ!?」


ツキはまたしても何かにぶつかられ
前のめりにリルと倒れた。



「ツキ!心配したぜ!うわああん!」



金髪の髪をふわふわさせながら
腰のあたりにぐりぐり頭を
押し付けていたのはイクアだった。


「あの…イクアくん…
イクアくんも、ごめんね?」


ツキはよしよしと
イクアの髪を撫でる。


「私も」


ひょいっと倒れたリルも
ツキのしたから顔を出す。



イクアとリルに抱き着かれて
いるのを見て


アルがむっとしたかのように
リルの尻尾を握った。



「ツキさん、怪我してるんですよ?」



リルはぶわっと尻尾を逆立て
アルを睨みながらツキから離れた。


「…ねこの子…きらい!」


リルとアルがぎゃーぎゃー
喧嘩を始めた中、イクアは

抱き着いたまま離れない。




「………。」


ウルーがこっちを睨んでる。


そして

「離れろ、金髪」



ウルーはイクアをぐいぐい押す。


< 366 / 376 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop