夏の日差しと狼のいろ。
「心配かけてごめんね…
私はもう大丈夫だかー…きゃあっ!?」
ツキはまたしても何かにぶつかられ
前のめりにリルと倒れた。
「ツキ!心配したぜ!うわああん!」
金髪の髪をふわふわさせながら
腰のあたりにぐりぐり頭を
押し付けていたのはイクアだった。
「あの…イクアくん…
イクアくんも、ごめんね?」
ツキはよしよしと
イクアの髪を撫でる。
「私も」
ひょいっと倒れたリルも
ツキのしたから顔を出す。
イクアとリルに抱き着かれて
いるのを見て
アルがむっとしたかのように
リルの尻尾を握った。
「ツキさん、怪我してるんですよ?」
リルはぶわっと尻尾を逆立て
アルを睨みながらツキから離れた。
「…ねこの子…きらい!」
リルとアルがぎゃーぎゃー
喧嘩を始めた中、イクアは
抱き着いたまま離れない。
「………。」
ウルーがこっちを睨んでる。
そして
「離れろ、金髪」
ウルーはイクアをぐいぐい押す。