夏の日差しと狼のいろ。

ー…

それからしっかりと四人は
ミリシアの説教を受けた。


ツキだけが時計を持ちながら
苦笑いを浮かべていた。


だいぶ説教をしてから、
ようやくミリシアは口を閉じる。


そして呆れたように、でも
優しく笑って

「ほんと、皆ツキちゃんのこと
大好きなのね」


そう言ってしめくくった。


「ちょっと、ミリシアさん…
恥ずかしい…」


ツキはぱさりと尻尾を振り、
時計にうつるミリシアを軽く睨む。



「いいじゃないの、
本当のことよ」


そう言うと手をひらひら振り
一方的に、通信を切ってしまった。


きっと元気づけようと
連絡してきてくれたのだろう。



ツキはぱたりと時計を閉じ、
四人を見た。



すっかり静かになった四人は
ツキが見ているのに気がつくと

笑みを返してくれた。




体がちゃんと治ったら、
色々やることがある。


ツキは再び四人に笑いかけると

横になった。










やっと、たどりついた。


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