夏の日差しと狼のいろ。
エピローグ…
十年後ー…
「母さーん!」
一人の少年が、ツキにくっついた。
「どうしたの?レク?」
ツキの息子のレクは
青みがかかった銀髪に
青い瞳をしていた。
はじめて生まれた、
銀月狼と雪狼の混血の子だ。
「父さんどこいった?」
レクは首を傾げてそう聞いた。
「アル姉ちゃんと、外に居るわよ」
ツキがそう言うと
レクはぐいぐいツキを引っ張った。
「一緒に来てよー!
父さんに用事があるんだっ」
ツキは仕方なくレクについて
外までいった。
ウルーとアルは雪掻きをしていた。
昨日どっさり振ったのだ。
「父さんー!」
レクは今度はウルーに抱き着いた。
「どうしたんだ?邪魔するなよ」
ウルーは愛おしげに
レクの頭を撫でた。
「いや、ちょっとたまには
遊んでほしいなーって」
レクが甘えて言うと
ツキとウルーはクスクス笑った。
可愛い、子。
「アル姉ちゃんに
遊んでもらったら?」
「えぇ~アルすぐ怒るもん!」
ぷくっとレクは頬を膨らませると
アルをじっと見る。
「ちょっと!呼び捨てはダメって
言いましたよね!?」
アルが案の定、怒る。
たわいもない会話。
平和な時間。
幸せなー…
優しい絆…
このままずっと続けばいいなぁ…
【完】