夏の日差しと狼のいろ。
静かな暗い闇夜。
ウルーは重い頭をゆっくりあげた。
身体には布団がかぶせられている。
どうやら倒れてしまったようだ。
普段は気をつけているウルーだがたまたま倒れてしまったようだ。
熱はほとんどひいているがまだくらくらする。
そこでふと気がつく。
(俺は何で、床で寝てるんだ?)
そして、家の前で倒れたのに部屋で寝ていた。
すこし頭をあげて辺りを見回す。
熱のせいかあまり鼻がきかないが自分以外に誰かがいるのはわかった。
そしてソファーに 寒そうに丸くなって眠っているツキを見つけた。
いくら砂漠でもこの砂漠は暑くはないし、夜は冷え込む。
風邪をひいてしまうとツキに布団をかけようとした…
が。
ウルーの家には必要最低限、つまり自分の寝具しかなかった。
しまった、とウルーは耳を動かした。