夏の日差しと狼のいろ。


ツキはふっと目をあけた。


さっきまで寒かった体がぽかぽかで何かに包まれている。


特にお腹のあたりはとても温かい。


寝ぼけながら視線を横にむけた。




「!!!」


間近にウルーの顔があった。
 

瞬時にぱっちりと目が覚めてしまい、


心臓がどっくんと脈うった。


ウルーはツキの体にぴったりとくっついて

尻尾をツキのお腹にかけている。


熱っぽいウルーの顔があまりに近くてツキの顔に寝息がかかる。

ツキの心臓は意味もわからずバクバクと鼓動を早めて、パンクしそうだ。



(わ、私どうしたのっ!?)


かぁぁと 顔が熱かった。

触れ合う体から熱が伝わる。

顔が熱くて溶けてしまいそうだった。


これは何だろう、何なの?
ふと気がついてしまう。

昔、本で読んだこと。



(これって・・・恋?)

< 43 / 376 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop