夏の日差しと狼のいろ。
ツキはふっと目をあけた。
さっきまで寒かった体がぽかぽかで何かに包まれている。
特にお腹のあたりはとても温かい。
寝ぼけながら視線を横にむけた。
「!!!」
間近にウルーの顔があった。
瞬時にぱっちりと目が覚めてしまい、
心臓がどっくんと脈うった。
ウルーはツキの体にぴったりとくっついて
尻尾をツキのお腹にかけている。
熱っぽいウルーの顔があまりに近くてツキの顔に寝息がかかる。
ツキの心臓は意味もわからずバクバクと鼓動を早めて、パンクしそうだ。
(わ、私どうしたのっ!?)
かぁぁと 顔が熱かった。
触れ合う体から熱が伝わる。
顔が熱くて溶けてしまいそうだった。
これは何だろう、何なの?
ふと気がついてしまう。
昔、本で読んだこと。
(これって・・・恋?)