夏の日差しと狼のいろ。



「!?」

ウルーは差し込む夕日に驚いて目を覚ました。


外の明るさからするともう夕方だ。



なんだか嫌な予感がする。


ツキは無事に町についただろうか。


何もなければいいが…


そんなことを考えていた暁だった。


ことり、と外で物音がした。


ウルーははっとしてドアに寄った。


(そんな!?気配に…気がつかなかった…!?)


いつもなら真っ先に気配には気がつくはずなのにまったく気がつかなかった。



勢いよくドアを開けると、そこにいたのはー…



白猫だった。

琥珀色の目をひからせ、ウルーを見上げる白猫。


ウルーはすぐにばっと目をそらした。


(コイツ…!?)

ウルーは白猫が金縛りを使おうとしていることに気がついた。

そんな折り、頭に声が響いた。

『よく見破りましたね…』


その声は白猫が発したものだ。

ウルーは唸るように「何の用だ」と言った。


白猫はくすりと笑ってふざけるように言う。


『そんな、怒らないでくださいよ』

続けて白猫は声を響かせた。


『私が何族か知ってるでしょうに』


クスクス笑いながら白猫はこちらを見つめた。


ウルーは唸るように返答した。


「闇猫-ヤミ-族が何の用だ」

こいつら白猫は闇猫という、過激で危険な猫一族だ。


模様や色は様々だがどいつも琥珀色の瞳をしていて金縛りを使う。


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