夏の日差しと狼のいろ。


「うぅ…」

ツキは今度は立ち上がると見上げるようにだが、

男を思い切り睨んで、言った。

「何がしたいのよ」

男はニヤリと笑うと、無言で首輪を引っ張りツキを引きずった。


ツキは首が絞まりそうだった。

もがいたが、結局は奥の部屋に連れていかれた。


部屋についた瞬間、ツキはロープでぐるぐると手足をまきつけられた。


そして反抗する間もあたえずぐいっとツキの手のロープを屋根の部分にくくりつけた。

ツキの足はぷらんと宙にうく。

同時に手は上にくくられたのでまったく身動きはとれなくなった。


ツキはきっと男を睨みつけ、叫んだ。


「何するのよ、離して!」


しかし男は小さな小型ナイフを手に、こっちへ来た。

「うるせェなァ…」

ツキは怯んでしまった。


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