夏の日差しと狼のいろ。
ーーー……。
…ォォォ…
「…?」
遠くから何かが聞こえた気がした。
男も手をとめる。
『アオォォォォォオン!』
「っ!?」
遠吠えだ。ウルー…!?
ツキは鳴き声のほうを見た。
きっと、ウルーだ。
鳴き声はどんどんせまる。
『ア"オォォォォォーー…』
地面が震えるほどの咆哮。
「ばっ…馬鹿な」
男が声をあげるのと、ツキがそれを見たのは同時だった。
そこにいたのは白銀に輝く狼だった。
「ウルー…なのっ…?」
確証こそないがそれはきっとウルーだ。
狼はゆっくりとこっちに歩いてきた。
なんだか少し不安感を感じた。