神様修行はじめます! 其の二
「正面からは近づけぬ。そこで、この山の祠を使う」


「この山の祠?」


「祠から幽閉場所まで、おそらく繋がるはずじゃ」


「大丈夫なの?」


「おそらく」


おそらくって何よ、おそらくって。


もうちょっと確実性のある答えを聞きたいんだけど。


「他に方法はない。やってみるよりほかあるまい」


・・・・・・・・・・・・。


しかたない。方法がないんなら。


とにかく行動あるのみだ。


モタモタしてる間に、門川君が殺されてしまうかもしれない!


急ごうっ!!


絹糸を抱きかかえ、息を切らして山道を進む。


あちこち飛び出てる枝に、顔や手や足が傷つけられた。


鋭い痛み。血がにじむ。


早く。早く早く!

急がなきゃ!!


はぁはぁと荒い息を吐くあたしの目に、何かが見えた。


月明かりに、ぼんやりと浮かぶあれは・・・。


「着いたぞ」


祠だ!

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