神様修行はじめます! 其の二
(門川君―――っ!!)


水の中。

伝わらない音。

聞こえない声で、あたしは叫んだ。

彼に向かって何度も何度も。


届いて! どうか届いてー!


彼の目は、焦点が合っていなかった。

ぼんやりと曇った目。

表情のまったく無い顔。


まだ意識がはっきり戻っていないんだ!

あぁ! 門川君!



もはや息は限界だった。

頭の中心から、すうっと意識が抜けかかる。


そんな頭で、あたしは彼の事だけを考えていた。


彼を守らなきゃ。

守らなきゃ・・・

彼、を・・・ 彼・・・



暗くなっていく視界。

体から力が抜けていく。

目だけは、しっかりと彼を見つめながら。


その彼の目が、だんだんと生気を宿し始めていくのが見えた。

少しずつ意識の復活する瞳。

彼の目が、あたしの姿を見た・・・。

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