神様修行はじめます! 其の二

― キイィィ・・・ン ―


辺りの全てに光が拡散する。

鋭い冷気が走った。

身を切るような冷たさに全身が包まれる。


この大量の水が、一瞬で、痛みを感じるほどの冷水に変化した。


巨大魚の体が、氷に包まれていく。

不思議な音をたてながら。

みるみるうちに氷漬けになっていく。


そして、見事な氷のオブジェと化してしまった。


動かなくなった巨大魚は、静かに視界から消えていった。



門川君、すごい・・・。

やっぱりすごいや・・・。

目覚めた途端に大活躍だね。カッコイイ。


腕を、何かにつかまれた。


あ・・・。門川君。


彼があたしの腕をつかんでいた。

怖いくらい真剣な目であたしを見ながら。


水の中の再会だ。

声も無い再会だね。


へへ・・・会いたかったよ。

すごくすごく会いたかったんだよ。


門川君・・・。

かどかわ、くん・・・。



あたしは、うっすらと微笑みながら、完全に意識を失った。

< 102 / 654 >

この作品をシェア

pagetop