神様修行はじめます! 其の二
― キイィィ・・・ン ―
辺りの全てに光が拡散する。
鋭い冷気が走った。
身を切るような冷たさに全身が包まれる。
この大量の水が、一瞬で、痛みを感じるほどの冷水に変化した。
巨大魚の体が、氷に包まれていく。
不思議な音をたてながら。
みるみるうちに氷漬けになっていく。
そして、見事な氷のオブジェと化してしまった。
動かなくなった巨大魚は、静かに視界から消えていった。
門川君、すごい・・・。
やっぱりすごいや・・・。
目覚めた途端に大活躍だね。カッコイイ。
腕を、何かにつかまれた。
あ・・・。門川君。
彼があたしの腕をつかんでいた。
怖いくらい真剣な目であたしを見ながら。
水の中の再会だ。
声も無い再会だね。
へへ・・・会いたかったよ。
すごくすごく会いたかったんだよ。
門川君・・・。
かどかわ、くん・・・。
あたしは、うっすらと微笑みながら、完全に意識を失った。