神様修行はじめます! 其の二
「ここにたどり着いた時、お前だけが気を失っておったのじゃ」


たどり着いた!?


キョロキョロ辺りを見渡す。

ずいぶんと広い川岸に、あたし達はたどり着いていた。


やったぁ! 無事に着いたんだ!



・・・あっ!

門川君! 門川君は・・・!?


慌てて探すあたしの目に、彼の姿が映った。


少し離れた場所で、しま子と並んで座っている。


あたしの心が一気に浮上した。


あぁ、門川君・・・! よかった!


ピンと背筋を伸ばした姿勢の良さ。

こんな場所でも正座を崩さない律儀さ。

いつもの銀縁のメガネ。


ずいぶんやつれて、顔色も悪いし、全体に覇気が薄れてるけど・・・。


彼だ。間違いなく彼だ。


門川君が、しっかりと意識を持ってあたしを見ている。


こんなすぐ側で、あたしを見てる。


ジーン・・・と胸が熱くなる。


嬉しい・・・。

嬉しくて、胸がいっぱい・・・。


「もう、いっぱいいっぱいじゃ・・・」


シュウゥゥ・・・っと絹糸が、猫の姿に戻ってしまった。

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