神様修行はじめます! 其の二
着いた! やっと着いた!


大急ぎで祠の前まで走る。


突然、頭上から細い光が降りてきた。


この光は・・・?


あたしは立ち止まり、天を見上げる。


天上の月から、一本の光の柱が降りていた。


白銀に輝く月の、光の帯。


銀の粒子が寄り集まって、あたしの足元を照らしている。


その光が、道を作る。


真っ直ぐに祠までの道を照らしていた。


月の道標だ・・・。

暗闇の中で、なんて綺麗な・・・。


おぼろな月の光に照らされ、暗く、ほのかに浮かび上がる。


虫達の声に包まれた、その祠は・・・


「すんごいボロ・・・」

「はるか昔に封鎖された祠じゃからのぉ」


ホントにボロ。

てかもう、崩れかけてるし。


紙垂も落ちて朽ちちゃってる。


全体の半分くらい苔むしてるよ。


緑色に染まっちゃってる。


・・・ご利益なさそう。

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