神様修行はじめます! 其の二
花嫁って、結婚?

門川君、結婚するの?

誰かと結婚するって事?


なぜ? どうして? なんで?

なんであたしは・・・

こんなにも傷つかないといけないの?


「永久は門川の次男じゃ。幼い頃に、勝手に決められた婚約者じゃよ」


慰めるような絹糸の声。


永久が選んだ相手ではない、そう言ってるように聞こえた。


でも・・・。

たとえそうであっても・・・。


好きな人に、結婚を約束した相手がいるって事実には・・・


その決定的な事実には・・・


何の変わりも無い。

何の変わりも・・・。



「そこに行かねばならぬ。・・・よいな?」


教え諭すような声で、絹糸があたしに念を押した。

辛いだろうが、耐えろ。

そう言っているんだ。


「・・・うん、行こう。今すぐに」


あたしは弱々しく笑った。

大丈夫だよ、絹糸。

衝撃なら・・・


もうさっきからずっと浴び続けているから。

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