神様修行はじめます! 其の二
「土の力を自在に操る一族じゃ。その収穫は門川全体をまかなっておる」


この広大な土地、すべての作物の収穫量かぁ。


しかも取ったそばから、すぐ次の実が生ってるんだもん。

そりゃ膨大だ。


「じゃが、それ以外の突出した能力が無くての。門川中央の権力から外されたのじゃ」


「それ以外のって・・・充分すごい能力じゃん!」


人間にとって、食べ物って大切だよ! ものすごく!


あたしが大食らいだから言ってるんじゃなくてさ。


命を支える大事な柱でしょう?


尊重されて当然の一族だと思うけど?


「命を育む民ゆえ、戦いを嫌ってのぉ」

「あぁ、そっか・・・」


神の一族は、皆、戦いの一族だ。


その戦いを嫌って参加しなかったら、周りから疎まれる。


お前達ばかり逃げてるって。

そのせいで、落ちぶれてしまったんだ。


・・・でも優しい一族なんだね、きっと。


「力を持たぬ一族ゆえ、華子が選んだのじゃ」

「鬼ババの奥方が、何を選んだの?」

「永久の花嫁にじゃ」


あ・・・・・。

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