神様修行はじめます! 其の二
「それより永久様は無事ですの? ベルベットちゃん」

「我は絹糸じゃ!!」


今度は絹糸がお岩さんに食って掛かる。


「キテレツな名で呼ぶでないわ!」


「わたくし、自分のお気に入りには、それに相応しい名を進呈すると決めていますの」


「今すぐ返却するわ!」


「それよりも永久様はっ!?」


そう! そうだよ門川君!

一刻も早く治療しないと!!

こんな話をしている場合じゃない!!


お岩さんは、しま子に背負われている門川君に近寄り、話しかける。


「永久様、もう大丈夫ですわ。・・・セバスチャン!」

「はい、ジュエル様」



物静かな声がした。

いつの間にか、お岩さんの後ろに男性が控えていた。


真っ黒な燕尾服。

真っ黒なアスコットタイ。

対照的に真っ白な手袋。


・・・執事だ。

今度は執事が出てきちゃったよ。

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