神様修行はじめます! 其の二
お岩さんを先頭に、あたし達は急いで乗り込んだ。


御者席に着いた執事さんが、パンッと手綱を鳴らす。

途端に・・・


ダダダダダ―――っ!!!


と土煙を上げて、牛車が猛スピードで走り始めた!


うわわ! 揺れる!

信じられないスピード!

牛・・・はやっっ!!!


「う・・・・・」


振動が体に伝わって辛いのか、門川君が苦しそうに、うめいた。


「永久様っ!」「門川君!」


あたしとお岩さんが、横たわる門川君にすがりつく。


「「しっかりして!!」」


ふたり同時にそう叫び、そして同時にお互いの顔を見た。


不審そうなお岩さんの目。

あたしは、つい、目を逸らした。

どうしても引け目を感じてしまう。


べつに・・・後ろめたく感じる事なんて何も無いのに。


「ちょっと、あなた・・・」

「岩よ、当主は永久が来た事を知っておるのか?」

「ジュエルですわっ!」


キツイ口調であたしに話しかけてきたお岩さんを、絹糸が逸らした。

・・・助かった。

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