神様修行はじめます! 其の二
この身に変えても守る。

それは、あたしの誓いだったのに。


ありがとうの言葉を、あたしも言ってもらえると信じていたのに。


あたしには・・・

何もない・・・。


かつて、繋ぎあっていた手のぬくもり。

それすらももう、・・・ない。


今、彼の手は他の人の手と繋がれている・・・。



悲しい。とても悲しい。

心に大きな穴が開いたように虚しい。


切なくて、辛い。

辛くて辛くて・・・


苦しくて、たまらない・・・。



門川君が起き上がろうとするのを、お岩さんが慌てて止める。


「まだいけませんわ。横になって」

「もう大丈夫だから」

「いいえ。晩餐まではお休みになって下さい」

「だが・・・」


お岩さんが、門川君の唇にそっと指をあてた。


「妻の言う事は聞くものですわ」

「・・・わかった。言う通りにしよう」

「わたくしが、ずっと側におります」


あたしは・・・

あまりの胸の痛みに顔を歪めた。

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