神様修行はじめます! 其の二
「気をつけろと言ったであろうが!」


絹糸が、ビシッ!と猫パンチしてきた。


「痛いよ!」

「永久を救いたくないのか! このバカ娘が!」


救いたいに決まってるでしょ!


何言ってんのよバカニャンコ!


でも、祠自体がもう朽ちちゃってるんだもん!


振動を与えれば、それがそのまま崩壊に繋がっちゃうの!


あたし、こういう細かい作業はすごく苦手なのよ!


なのにたった一度きりのチャンスしかないなんて!


失敗したらと思うと怖くてできない!


彼の命がかかってると思うと、ますます怖い。


怖くてできないよぉ。

あたしには無理。

ダメだよぉ。絹糸、代わって。


「神獣の不思議な力を発揮して、なんとかして」


「人間にとって都合の良い力など、持っておらぬわ」


「そんなぁ・・・!」


「我にできるなら、最初からやっている。だがこれは、お前にしかできぬのじゃ」


その言葉に、あたしはハッとした。

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