神様修行はじめます! 其の二
お岩さんが『晩餐会』と言っていた夕食は・・・


『宴会』だった。


襖を取っ払った、広い大きな畳張りのお座敷。


あちこちに、ダルマとかコケシ人形とか絵馬とかが飾ってある。


そして、ずらりと並ぶお膳の上にごちそう。


一族の人達が、大勢招待されて座っている。


わいわいガヤガヤと楽しそうに、開宴を待っていた。


権田原家の当主さんは、いかにも気の良さそうな豪快なおじさんだった。


「さあ皆の衆よ! 食って飲んで、大いに騒いでくれや!」


わあぁっと拍手と歓声が沸き起こり、すぐさま大宴会になった。


みんな上機嫌。

次々とお酒が運ばれ、みるみるカラになっていく。


あちこちで大きな笑い声が上がり、大騒ぎだ。



おかげで・・・助かった。

誰もあたしを気にする人はいなかったから。


お膳にまったく手を付けず、ひと言もしゃべらずに座り込んでいても。



門川君とお岩さんは、並んで座っていた。

みんなの真ん前に特別席が用意されていた。

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