神様修行はじめます! 其の二
セバスチャンさんが、門川君の動きを手で止めた。


セバスチャンさん・・・?


「止めないでくれセバスチャン」

「いいえ、どうぞお待ちください」


セバスチャンさんは、門川君の肩を優しく押し止める。


「永久様は、ひとつお忘れでございます」

「僕が?」

「命と引き換えに、我が一族を守ってくださるお覚悟のようですが・・・」


にっこり。

優しく微笑み、彼は言葉を続けた。


「権田原は最初から、あなた様に守ってもらうつもりは、ございませんでしたよ」


「しかしそれでは・・・」


「自分の身は、自分で守りますので結構でございます」


「だが・・・」


「それと、もうひとつ」


門川君の肩に置かれた手に、力が込められた。


「自分の行く末は、自分自身が決めるもの」


「・・・・・・・」


「あなた様もどうか、誰かに決められた道は、お選びにはなりませんように」

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