神様修行はじめます! 其の二
「あの状態のセバスチャンには、何を言っても無駄ですわ!」


周囲の騒動に負けないような音量で、お岩さんがあたしに叫んだ。


「じゃあ、どうするのよ!?」


「巨大台風は過ぎ去るのを待つしかありませんわ! 天災と一緒です!」


そのセリフ、どっかで聞いた気がする!


このふたりって、モロに似たもの同士―っ!


刺客達は、締め上げられて苦悶の声を上げ続ける。


圧迫されて血流が滞り、顔色が赤黒く変色していた。


「さて、そろそろ頃合か」


セバスチャンさんのその声と同時に、床を突き破って新たな植物が現れた。


巨大な花のつぼみ。

2メートルは超えていそうな大きなつぼみが、次々と現れる。


「腐った連中ではあるが・・・」


こめかみ辺りまで、彼は右手を上げた。

そしてパチンッと指を鳴らす。


― カパァ・・・ ―

ひとつのつぼみが花開いた。


細かい繊毛のような物が、びっちりと表面に生えている。

そして・・・


ガパアッ!とツタごと刺客の体を丸呑みにした!

< 219 / 654 >

この作品をシェア

pagetop