神様修行はじめます! 其の二
「ほら、ね?」


視線を門川君に向き直して、あたしは話を続けた。

驚いた顔の彼を見ながら淡々と、静かに。



あたしが望んだ事、成した事、その結果。


そこには純然とした事実があるだけ。


誰の感傷も、干渉も、必要無いの。


だから、あーだこーだと門川君に言われる必要も義理も、ない。


「あたし自身が行くと決めた。その事実だけで充分よ」


「なにが充分なものか!」


「あたしの決意はあたしだけのもの。他人が口出ししないで」


「・・・・・っ!」


話は終わったとばかりに、あたしは立ち上がった。


「あぁ、滅多にしない正座なんかしたから、足が痺れちゃった」

「・・・・・」

「向こうで休んでるから、行くときになったら呼んでね」


そう絹糸に声をかけて、あたしは部屋の出口に向かって歩き出した。


みんなが、あたしを意識していた。

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