神様修行はじめます! 其の二
お岩さんは、何かを言いたそうに口を動かして・・・

でも、何も言葉にならなかった。


真っ直ぐな目で、あたしを見ていた。



セバスチャンさんは、そんなお岩さんを横目で見ながら・・・


「天内のお嬢様、後でお茶をお持ちいたします」


ただ、それだけ言った。



絹糸は、ティーカップに顔を近づけてフンフンと匂いをかいでいる。

あたしの事はチラリとも見ない。


でも・・・

おそらく、あたしの全ての気持ちを見透かしているんだろう。



しま子は黙って立ち上がり、あたしの後ろについて歩いてくる。

あたしから、決して離れずに。


何があってもしま子は、あたしの側から離れないだろう。

これからも、ずっと・・・。



そして門川君の横を通り過ぎようとした時・・・


「待て」


彼があたしの腕を乱暴につかんだ。


そして怒りのこもった両目で、あたしを見た。

冷たい冷たい、氷の炎の宿った目で。


「僕は絶対に許さないぞ」

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