神様修行はじめます! 其の二
ちいさな仲間
その日の夕刻前に、あたし達は出発する事になった。
門川君、絹糸、あたし、しま子。
この四人だけの出発だった。
お岩さんとセバスチャンさん、そして子猫ちゃんが見送りに来てくれた。
ザワザワと波立つ胸を抱えて、あたしはずっと無言。
門川君とは、わざと離れて立った。
・・・ふと、視線を感じる。
お岩さんだ。
お岩さんが、あたしをチラチラと見てる。
でも視線を合わせると、すぐにプィッと横を向いてしまった。
なんなんだか、まったく。
まぁ、いいけど。言いたい事は分かるから。
門川君をしっかり守れって言いたいんでしょ?
言われなくても守るよ。必ず。
そのためにあたしは行くんだから。
「天内のお嬢様」
「あ、セバスチャンさん」
相変わらずの燕尾服姿のセバスチャンさんが、穏やかな笑顔で話しかけてきた。
「どうぞ、くれぐれもお気をつけて下さいませ」
「うん。ありがとう」
「永久様をお守りください。そして・・・」
「?」
「どうか御自身も、お大事にして頂きとう存じます」
セバスチャンさんの目は、黒く澄み切っていた。
優しい、落ち着いた大人の微笑をたたえていた。
門川君、絹糸、あたし、しま子。
この四人だけの出発だった。
お岩さんとセバスチャンさん、そして子猫ちゃんが見送りに来てくれた。
ザワザワと波立つ胸を抱えて、あたしはずっと無言。
門川君とは、わざと離れて立った。
・・・ふと、視線を感じる。
お岩さんだ。
お岩さんが、あたしをチラチラと見てる。
でも視線を合わせると、すぐにプィッと横を向いてしまった。
なんなんだか、まったく。
まぁ、いいけど。言いたい事は分かるから。
門川君をしっかり守れって言いたいんでしょ?
言われなくても守るよ。必ず。
そのためにあたしは行くんだから。
「天内のお嬢様」
「あ、セバスチャンさん」
相変わらずの燕尾服姿のセバスチャンさんが、穏やかな笑顔で話しかけてきた。
「どうぞ、くれぐれもお気をつけて下さいませ」
「うん。ありがとう」
「永久様をお守りください。そして・・・」
「?」
「どうか御自身も、お大事にして頂きとう存じます」
セバスチャンさんの目は、黒く澄み切っていた。
優しい、落ち着いた大人の微笑をたたえていた。