神様修行はじめます! 其の二
・・・誰もいない。

おかしいな。緊張して神経過敏になってるのかな?


そう思いながら、ふと視線を落として・・・


目が、合ってしまった。


足元で、あたしをキョトンと見上げている、手の平サイズの小人と!


「あ・・・っ!」


この小人!

門川の、お掃除係の小人さんだ!

一寸法師みたいな格好で床磨きしてた、あの小人さん!


あたしの声に驚いたのか、小人さんはピョンと飛び上がった。


そして、目にも止まらぬスピードで走り出す。


「ちょ・・・待って! 待って!」

「どうした!? 小娘!」

「お掃除係の小人さんが・・・!」

「なに!? どこじゃ!?」

「逃げちゃったよっ!」

「・・・・・追えっ!!」


絹糸が飛び出した。

あたし達も走り出す。


やばい・・・やばいやばい!

ここで騒がれたら、見つかっちゃう!

あの小人さんを捕まえなきゃ!!

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